おおいの文化財

 

文化財とは
 文化財は、長い歴史の中で生まれ、育まれ、今日の世代に守り伝えられてきた貴重な財産です。これは、町の歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできないものであると同時に、将来の文化の向上発展の基礎をなすものです。
 文化財保護法では、文化財を「有形文化財」「無形文化財」「民俗文化財」「記念物」「文化的景観」「伝統的建造物群」などに分類しています。これらの文化財の中で特に重要なものは国、都道府県、市町村によって「指定文化財」として指定し、重点的にその保護が図られています。その他、土地に埋蔵されている文化財(埋蔵文化財)、文化財の保存・修理に必要な伝統的技術・技能(文化財保存技術)も、保護の対象としています。
 現在、おおい町内には国指定8件(選定・選択含む)、福井県指定18件、おおい町指定50件、合計76件の文化財が指定文化財として保護されています(平成29年1月1日現在)。
※一覧表はこちらから印刷できます→指定文化財一覧表.pdf

 


重要文化財(国指定)では
 長楽寺(大島)・常禅寺(大島)・清雲寺(大島)・意足寺(万願寺)にある7躯の仏像が重要文化財に指定されています。これらの仏像は平安時代から鎌倉時代にかけての作であり、都の文化を映して生みだされたものや、直接当地にもたらされたものです。各寺院やその周辺に住む人々が経済的に豊かであり、信仰心に厚かったことを物語っています。


福井県指定文化財では

 

 平安時代の作である木造阿弥陀如立像(大島・奥の堂)や木造阿弥陀
如来坐像(長井・龍虎寺)、絹本著色千手観音二十八部衆像(懺法講)、紙本墨書大般若経(三重・熊野神社)、江戸時代初期に建築された薬師堂(納田終)が指定されています。
 その中で絹本著色千手観音二十八部衆像は、その図像が京都妙法院門跡三十三間堂の本尊千手観音坐像(国宝)に非常に酷似しています。これは、名田庄がかつて天台宗蓮華王院(京都妙法院門跡)の荘園として支配下にあった歴史を物語る貴重な画像です。


おおい町指定文化財では

 

 周文が写経したと伝えられる五部大乗経、狩野永納作と伝えられる涅槃図など多くの寺社仏閣に所蔵される文化財が指定されています。このように町内で指定を受けている文化財は、仏像をはじめとする仏教美術品が多数を占め、数も種類も豊富で、重要文化財に指定されるなど優品が多数残されています。


民俗文化財では
 大火勢(福谷)、父子六斎念仏(父子)、鹿野六斎念仏(鹿野)、本郷踊、文七踊(名田庄)、下村の獅子舞(下)が福井県の無形民俗文化財に指定されており、各保存会によって伝統文化の保存、後継者の育成など大切に受け継がれています。
 また、大島半島に点在する「ニソの杜」とよばれる森神信仰(大島半島のニソの杜の習俗)が国の選択無形民俗文化財に指定され、今もなお引き継がれています。

  


記念物では
  幕末期に築造され、小浜藩による海防政策の一端を知ることができる小浜藩台場跡 松ヶ瀬台場跡 鋸崎台場跡(大島)が国の史跡に指定されています。
納田終は平安時代に活躍した陰陽師 安倍晴明の子孫が、応仁の乱による京の都の戦乱をさけ一時居を移した地です。その足跡として都に帰ることなく当地で亡くなった安部家三代が眠る土御門家墓所があり、福井県の史跡に指定されています。
 その他、伝本郷扶泰公墳墓(岡田・西安寺)やヒガンジョ4号墳(大島)など郷土の歴史に欠くことのできない文化財がおおい町の史跡として指定されています。
 天然記念物では、モミの木(岡安・依居神社)やムクの木(下・苅田比売神社)に代表される巨木などが福井県の天然記念物として指定され、おおいちょう(野尻・六社神社)や野鹿の滝(納田終)を始めとする貴重な植物などがおおい町の天然記念物として指定されています。